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多彩な伊那谷人によるフリートーク!土曜はallla #3

配信日:2021年12月11日(土) 9時~

「土曜はallla」は、多彩な伊那谷人をゲストに、これからの伊那谷産業経済の行く末や在り方について語り合うトークイベントです。産業・経済・生活・環境など―伊那谷で学び、働き、暮らしている人々が、未来のために考えるべきテーマはたくさんあります。しかし、日常生活の中では、立場・年齢・職業などに関係なく意見を交わし、地域の未来について考えるような機会はなかなか見つけにくいもの。「土曜はallla」は、世代や立場、職業の違いといった枠を超え、さまざまな人々が伊那谷のこれからについて話し合う場を設けようと「産業と若者が息づく拠点施設allla」で始まりました。

当面のテーマは、「SDGs―その先にある伊那谷と世界」。これまでに、伊那谷で活躍する企業の社長、自治体職員、大学教授などが話題提供をしてきました。伊那谷に暮らす人々が、SDGsをどのように捉え行動しているのか、ゲストスピーカーからの話題提供をきっかけに、参加者それぞれの観点で語り合っています。

第3回目は伊那市長谷で自然栽培の米をつくる株式会社Wakka agri社長の細谷啓太さんと、信州大学農学部准教授でトウガラシや伝統野菜について専門に研究している松島憲一さんにゲストスピーカーとしてお話頂きました。

【ゲストスピーカー①】株式会社Wakka agri社長 細谷啓太さん

世界に誇るSDGsに沿った取り組み―長谷の中尾の自然米づくり

長谷地区中尾集落を中心に化学農薬・化学肥料はもちろん、堆肥なども使用せずに、輸出用の高規格自然栽培米を作るWakka agri。社長の細谷啓太さんは自然栽培の研究で博士号を持ち、その知識をもとに栽培に取り組んでいます。「土曜はallla」では、米の輸出経験から、海外では環境問題や健康に対する意識が非常に高いこと、また、おいしさだけでなくいかに社会的に価値がある商品であるかが重要なのかを、事例を交えて紹介してくれた細谷さん。とくに伊那市長谷は、海外の方が好むオーガニック玄米をつくるのに最適な土地だといいます。さらに、米づくりから未来へつながる村づくりを目指し、社員5名が罠猟免許を取得、獣害対策にも取り組んでいることを紹介。持続可能な地域社会に向けた思いについても語って頂きました。

【ゲストスピーカー②】信州大学農学部准教授 松島憲一さん

信州伝統野菜の保全とSDGsの理念

松島憲一准教授は植物遺伝育種学を研究分野としながら、信州伝統野菜認定委員会の座長も務める伝統野菜の専門家です。「土曜はallla」では、長野県内にどんな伝統野菜が残っているのかを紹介しつつ、伝統野菜がいかに科学的・文化的・経済的に重要な存在であるかを説明。遺伝資源として育種素材・研究素材として使える可能性があること、地域の食文化を伝承する文化財としての役割など、具体的事例を交えながら紹介してくれました。伝統野菜の保全は、生物的多様性と文化的多様性を担保することだと松島准教授。伝統野菜は陸の豊かさを守ることにもつながり、飢餓や気候変動などSDGsが掲げる開発目標にも資する存在だと締めくくりました。

【トークセッション】毛賀澤明宏 × 細谷啓太 × 松島憲一

話題提供の後は、司会進行の(株)産直新聞社(allla運営受託会社)毛賀澤明宏とゲストスピーカー2人、さらに土曜はallla参加者で、フリートーク。立場や肩書、職業の枠を超え、伊那市のこれからについて語り合っています。ぜひご覧ください。