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金曜井戸端会議「伊那谷の森林事情と薪ストーブのある暮らし」ゲスト:株式会社ディーエルディー 代表取締役社長 三ツ井陽一郎さん

配信日時:2022年9月16日(金)18:00〜

「産業と暮らしを語る 金曜井戸端会議」は、長野県の製造業を牽引する伊那谷人の経営者をゲストスピーカーに、これからの伊那谷産業経済の行く末や在り方について語り合うトークイベントです。
日々の生活の中でさまざまな立場・年齢・職業の人々が意見を交わし、一緒に考える機会はなかなか見つけにくいもの。「金曜井戸端会議」は、世代や立場、職業の違いといった枠を超え、さまざまな人々が伊那谷のこれからについて話し合う場を設けようと「産業と若者が息づく拠点施設allla」で始まった「土曜はallla」の第2ステージです。ゲストスピーカーからの話題提供をきっかけに、参加者それぞれの観点で語り合います。テキスト

中学生・高校生の学びの場としても最適。伊那谷の経営者の視点を間近に聴ける貴重な機会ですので、ぜひ親子でご視聴ください。

第4回目は、伊那市高遠町を拠点に薪ストーブの販売から施工、メンテナンス、薪の宅配事業などを展開する株式会社ディーエルディーの代表取締役社長 三ツ井陽一郎さんをお招きし、「伊那谷の森林事情と薪ストーブのある暮らし」をテーマにお話いただきました。

伊那谷の森林事情と薪ストーブのある暮らし

ゲストスピーカー:株式会社ディーエルディー 社長取締役社長 三ツ井陽一郎さん

薪ストーブの設置率が高い伊那市。全国的な普及率がわずか0.5%にも満たない中で、伊那市の普及率は5%。数にして1500戸もの家庭で「薪ストーブのある暮らし」が営まれています。その立役者が、伊那市高遠町に本社を構える株式会社ディーエルディーです。同社の代表取締役社長で今回のゲスト、三ツ井陽一郎さんは、幼い頃に映画で観た、海外の薪ストーブの火が揺らめく暖かい家に憧れて、約30年前から薪ストーブの輸入をスタート。長野県はもちろん関東、東北、東海地域にもショールームを展開し、薪ストーブのある「暖かで快適な冬の生活」を提案しています。

「金曜井戸端会議」では、そんな同社の取り組みから、伊那谷の森林事情と環境保全に焦点を当てお話していただきました。これまで薪は、ナラやクヌギなどの広葉樹の方が火持ちして良いとされてきました。しかし同社は、伊那谷の森に豊富にあるマツやカラマツなどの針葉樹の間伐材が、薪として十分に活用できることを、綿密なテストと使用実績によって証明してきました。ナラとアカマツの比重差は20%ほどで、実際に薪として使用してもなんら問題なく、燃焼時間よりも、「輸送コストをかけず、地元にある木を無駄にせず有効に使っていくことが大切」であると強調しました。

薪の宅配事業では、契約者の自宅に薪が30束程度入るラックを設置し、使った分だけをスタッフが定期的に補充するという画期的なシステムを構築。灯油と同等のコストで使えて、暖かく環境にもやさしい。薪を割る手間はもちろん買い出しの手間もないため、利用者からは「一度始めたらやめられない」と好評を得ているそうです。

薪ストーブを使用することは、ただ暖をとるだけでなく、化石燃料の使用量を減らしカーボンニュートラルな世界にも貢献します。「1軒につき2トンものCO2が削減でき、それは、プリウス5台分もの価値がある」との三ツ井さんのお話しに、参加した高校生も深く頷いて話に聞き入っていました。
身近な森林資源を見つめ直し、環境保全に自分にできることから取り組むきっかけをくれる配信回となっています。