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DIY体験イベント「地域産材でサイクルスタンドをつくってみよう」

2022年7月23日(土)伊那市alllaでは、伊那市観光課との共催で「地域産材でサイクルスタンドをつくってみよう」のDIYイベントを開催しました。講師は、 “伊那まるごと遊園地”を目標に2021年4月から活動する、伊那市地域おこし協力隊の石井基裕さんです。

なぜ今、サイクルスタンドをつくるのか? 伊那市の「伊那市自転車活用推進計画」って? 当日のイベントの様子をお伝えしながら、大人も子どもも一緒に、生活に身近な乗り物である“自転車”の活用について考えます。(文・産直新聞社 上島枝三子)

6家族が、サイクルスタンドづくりに挑戦!

6家族19名が参加した「地域産材でサイクルスタンドをつくってみよう」

28℃の夏日となったイベント当日、伊那市alllaには、市内の小・中学生とその家族、計19名が集まりました。応募は申し込み開始から1週間経たずして募集定員に達したほどの大盛況! 参加者の皆さんの自転車やDIYへの興味関心の高さが伺えました。

「地域産材でサイクルスタンドをつくってみよう」の模様

まず、最初に参加者が体験したのは「ステンシル」です。
ステンシルとは、木材に文字や絵柄を切り抜いた型をあて、白いペンキをスポンジでトントンと叩くように塗装すると文字が転写される技法です。今回は、事前にカットして防腐剤を塗った木材にステンシルを施しました。講師の石井さんが「ダンボールなどでペンキをよく落としてから少しずつ色付けすると上手くいきますよ」とアドバイスすると、参加者は真剣に耳を傾け、思い思いにステンシルを楽しんでいました。サイクルスタンドの材料には、昨年alllaで実施したDIYイベント同様、伊那谷の森で育ったアカマツ材を使って地域の森林資源の有効利用も目指しています。

文字を切り抜いた型の上からスポンジでペンキを塗装する(ステンシル型製作協力:有限会社スワニー)
参加者のみなさんの丁寧な仕事に事務局も感激!

ステンシルのペンキが乾いたら、会場を設置場所のいなっせに移動し組み立て作業を行いました。
サイクルスタンドの作り方は見た目以上に簡単で、4本の脚(2×4・ツーバイフォー)を2本ずつ専用の連結金具で固定します。脚の上に、先ほどステンシルを施した木材を渡し、最後に補助板を取り付けたら完成です。インパクトドライバーを使う際には、「工具を初めて使う」という子どもたちも、大人に補助してもらいながら慎重にネジを打ち込んでいました。参加者の皆さんが親子で協力して作り上げたサイクルスタンドは、いなっせ周辺と、伊那市駅の駐輪場に設置されています。今後は、自転車の活用と共に、サイクルスタンドの利用を呼びかけていきます。

インパクトドライバーを使って慎重にサイクルスタンドを組み立てる参加者
完成したサイクルスタンドを前に笑顔を見せる参加者

なぜ今、サイクルスタンドなのか? 「伊那市自転車活用推進計画」とは。

伊那市では2020年に、自転車を活用した新たな施策「伊那市自転車活用推進計画」を策定しました。観光振興や健康増進、環境保全などを目的に、安全安心で楽しいサイクリングができる環境整備と、その一環として市内の公共施設などへのサイクルスタンドの設置を進めています。
「伊那市自転車活用推進計画」について、当日説明にあたった伊那市商工観光部観光課 中谷剛さんのお話しを一部ご紹介します。

当日いなっせ駐輪場に設置したサイクルスタンド

みなさんは普段自転車に乗りますでしょうか?

自転車は、昔から便利で身近な乗り物として生活のさまざまな場面で活用されています。近年では、健康づくりや、レジャーでの人気も高まってきています。

そんな中、平成の終わりごろに、国・県をあげて「積極的に自転車を活用していきましょう」という方針が定められました。伊那市でも令和2年度に、「伊那市自転車活用推進計画」を策定し、自転車をどんどん使っていきましょう、自転車を安全に活用しましょうと、さまざまな取り組みを始めています。

伊那市の自転車活用推進計画では、次の4つの目標を掲げています。

1、サイクルツーリズムの推進による新しい観光の開発
2、自転車の利用によって活力ある健康・長寿社会の実現
3、自転車の交通手段としての役割の拡大と移動環境の向上
4、自転車事故のない安全で安心な社会の実現

目標の一つになっている、「サイクルツーリズムの推進による新しい観光の開発」を行うためには、どのようなことを行っていくか? その一つに「効率的なサイクリングロードの整備」があります。そして、新しい観光開発の施策の一つとして、サイクリストの受け入れ環境の整備があります。具体的にどのようなことかというと、本日みなさんに作っていただく「サイクルスタンド」の設置です。

家にある自転車にはおそらく自立するためのスタンドが付いていると思いますが、本格的に自転車に乗る人たちの自転車には、スタンドが付いていません。そのため、お店などに立ち寄る時には自転車をお店の壁に立てかけたり、横に倒して置いたりということになります。

そこで、市としてはサイクルスタンドの普及を進め、サイクリストを受け入れ、それを新しい観光開発に繋げていきたいと考えています。
本日のイベントが、自転車による観光、自転車の日常的な活用について考えるきっかけになればと思います。


参加者全員で記念撮影

Japan Alps Cycling Road

長野県内では、県を1周する全長800キロメートルの自転車のモデルルート「Japan Alps Cycling Road(ジャパンアルプスサイクリングロード)」の整備が、今まさに進められているところです。自転車のロゴマークの入った道路標識の設置や、レンタルサイクル・シェアサイクルの普及も同時に進められており、自転車需要は今後ますます高まっていくことでしょう。

今回、イベント終了後「サイクルスタンドの製作キットを販売してほしい」という声や、「イベントで教わった作り方を参考に、家でも作ってみました」と、自作のサイクルスタンドの写真を送って下さった参加者もいました。今回のようなイベントが、皆さまの快適なサイクリングライフの一助になることを願っています。

協賛企業・店舗募集

伊那市では、サイクルスタンドの普及にご賛同いただける企業・店舗を募集しています。今後は事業者向けのイベントも企画していきたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。