配信日時:2021年10月9日(土) 9:00~
「土曜はallla」は、多彩な伊那谷人をゲストに、これからの伊那谷産業経済の行く末や在り方について語り合うトークイベントです。産業・経済・生活・環境など―伊那谷で学び、働き、暮らしている人々が、未来のために考えるべきテーマはたくさんあります。しかし、日常生活の中では、立場・年齢・職業などに関係なく意見を交わし、地域の未来について考えるような機会はなかなか見つけにくいもの。「土曜はallla」は、世代や立場、職業の違いといった枠を超え、さまざまな人々が伊那谷のこれからについて話し合う場を設けようと「産業と若者が息づく拠点施設allla」で始まりました。
当面のテーマは、「SDGs―その先にある伊那谷と世界」。これまでに、伊那谷で活躍する企業の社長、自治体職員、大学教授などが話題提供をしてきました。伊那谷に暮らす人々が、SDGsをどのように捉え行動しているのか、ゲストスピーカーからの話題提供をきっかけに、参加者それぞれの観点で語り合っています。第1回目は明治に創業した造り酒屋「宮島酒店」の宮島敏さんと、伊那市農林部 部長 富山裕一さんにゲストスピーカーとしてお話頂きました。
【ゲストスピーカー①】合資会社宮島酒店 代表社員(社長)宮島敏さん
酒蔵が寄り添うSDGs―その先の未来へ
明治44年創業の造り酒屋である宮島酒店。日本発となる防腐剤無添加酒への転換や、平成初期から原料米の契約栽培に取り組んできました。2020年、宮島酒店は、無農薬の原料米を使い「低精白」で醸す酒造りが評価され、環境に配慮した製品やサービスを表彰する「エコプロアワード財務大臣賞」を名だたる大企業とともに受賞。「土曜はallla」では、酒蔵が寄り添うSDGsとは何か、という視点で、1991年から取り組んできた減農薬・無農薬米の契約栽培での経験や契約農家との関わり合いについて紹介してくれた宮島さん。それらを踏まえ、「低精白米」での酒造りへとシフトしつつある理由、また酒文化と自然環境保護との関連性などを伝えていただきました。
【ゲストスピーカー②】 伊那市農林部 部長 富山裕一さん
SDGsと伊那市の農林業の今後
伊那市は多種多様な農産物が栽培できる農環境があります。富山裕一さんは、伊那市の農業部門のリーダーとして、水稲、果樹、野菜などさまざまな農産物の産地化を進めてきました。さらに、伊那市が掲げる「50年の森林(もり)ビジョン」の策定など、伊那市の森林整備・環境共生社会の創出のための取り組みにも深く関わってきた経験があります。「土曜はallla」では、それらの経験を踏まえ、農林業に関わる伊那市の具体的な施策について紹介した富山さん。農業では、「再生産」をキーワードに、中山間地域でも継続して農業を続けていけるよう、包括的な支援を行っていることを話しました。林業については、「伐って、使って、植えて、育てる」ことを目標に、伊那市産木材を使用したプロダクトやエネルギー自給などの取り組みについて解説しました。
【トークセッション】 毛賀澤明宏×宮島敏×富山裕一
話題提供の後は、司会進行の(株)産直新聞社(allla運営受託会社)毛賀澤明宏とゲストスピーカー2人、さらに土曜はallla参加者でフリートーク。立場や肩書、職業の枠を超え、伊那市のこれからについて語り合っています。ぜひご覧ください。